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100の死
さあ始めよう
一人
二人
さらに続けて
五人
十人
ソレは何も覚えていない
ただ数を数えているだけだ
十五
二十
ソレはただ殺していく
ひそやかに殺していく
二十五
五十
ただノルマを達するため
一日千人のうちの100人を委ねてもらえた
七十五
百
おしまい
一・零・零
零は空白
空白の上に一が乗って百
100
0は無し
最初の位がなくて
次の位がなくて
百の位がひとつ
そうだ
再び始めよう
百ではなく100
ソレは百では物足りなくなった
だが許されたのは100という単位だけ
そう許されたのは100だけ
100もあるじゃないか
さあ続けよう
百十
百二十
100
おしまい
再び続けよう
百三十二
百四十三
100
さあ次だ
空白になにを積めよか
無いもの積めよ
限りないものを積めばいいのさ
いつまでも
いつまでも
死はなくならない
ひとつがなくなるまで
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