涙の雫を笑顔に変えよう

14/38

3129人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
 骨折のすっかり治った中指が鼠蹊部のその奥へと潜り込む。すっかり潤った蜜をその無骨な指に絡ませてくぼみの奥にある感じるためだけにあるその場所に優しく触れた。  椿の声が大きくなる。  椿も同じように久しぶりなのだ。  自分が与える刺激に蕩けるように気持ち良さそうに感じている椿を見ながら、庸介は早くその中に挿入したいと思い、そしてその欲望を必死に抑えた。  自分のものよりも先に指を挿れる。  少しきつく感じる中は、温かくうねり潤いに満ちていた。  指を何度か往復しながら、中と外を刺激すると椿の身体が中に強く閉じたあとに大きく痙攣した。  荒い息を吐き出す唇にそっとキスを落とすと、椿が庸介の肩を押した。  肩を押された庸介が不思議そうに上体を起こすと、続いて椿も起き上がり呼吸を整えながら下を俯いた。  二人は裸のまま、ベッドの上に座り向かい合っていた。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3129人が本棚に入れています
本棚に追加