3129人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
ここからが本番なんだけどな……庸介は椿の顔覗き込んだ。
もしかしたら、無理をさせたのかもしれない。
それならば、今夜はここで我慢しなければいけない。先ほど我慢の限界だと言ったばかりだか、それも嘘だ、本当は椿のためなら我慢できる。
「……疲れた? 今夜は寝ようか?」
椿は首をブンブンと横に振った。
「庸介さん」
「うん?」
頬に手を掛けると、紅潮しているのだろう少し熱を感じた。
「私は……マグロですか?」
椿の口から出ようはずもないその言葉が届いた耳を疑い、一瞬どころではなくしばらくの間、庸介の思考が停止した。
椿の瞳は大真面目だ。
「いつもいつも、私ばかり庸介さんに気持ち良くしていただいて……そういうの、マグロ女と言うんですよね?」
マグロ女……。
動き出した頭で考えて庸介は絶句した。
最初のコメントを投稿しよう!