涙の雫を笑顔に変えよう

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 ここからが本番なんだけどな……庸介は椿の顔覗き込んだ。  もしかしたら、無理をさせたのかもしれない。  それならば、今夜はここで我慢しなければいけない。先ほど我慢の限界だと言ったばかりだか、それも嘘だ、本当は椿のためなら我慢できる。 「……疲れた? 今夜は寝ようか?」  椿は首をブンブンと横に振った。 「庸介さん」 「うん?」  頬に手を掛けると、紅潮しているのだろう少し熱を感じた。 「私は……マグロですか?」  椿の口から出ようはずもないその言葉が届いた耳を疑い、一瞬どころではなくしばらくの間、庸介の思考が停止した。  椿の瞳は大真面目だ。 「いつもいつも、私ばかり庸介さんに気持ち良くしていただいて……そういうの、マグロ女と言うんですよね?」  マグロ女……。  動き出した頭で考えて庸介は絶句した。
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