涙の雫を笑顔に変えよう

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「入院中に眠れない夜に調べました。飽きられたら嫌だと思い、入院中に少し勉強しようと思って。そうしたら……マグロ女は興醒めするって書いてあって。マグロ女ってなんだろうと調べたら、私のことかもしれないと思い始めて……」  今この雰囲気の中でそんな話をする椿に興醒めだし、なによりも椿からスマートフォンは取り上げだ……そんなことを考えながら、庸介は椿の髪を撫でた。 「私も……庸介さんに何かしたいです」 「な……!」  何かって!  いつもそうだ。無知は怖い。そして、その無知をネットで補おうとする椿が一番怖い。  そもそも、今のこの状況が分かっていっているのか? 椿はそうやってタオルケットで隠しているが俺は裸だ。おかしいだろう?  庸介はタオルケットを引っ張ると萎えたそれを隠すように足に掛けた。 「何かって、何でもいいの?」  大真面目な表情のままに頷く。
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