涙の雫を笑顔に変えよう

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 正直なところ、もう二人の間にはムードもなにもあったもんじゃない。甘い雰囲気なんて、椿のマグロ発言で塵となって消えてしまった。  ーー大真面目に意図せずに俺を翻弄する無垢すぎるお前を崩してやる。 「じゃあ、言うこと聞いてくれる?」  また頷く。やっぱり真面目な顔だ。 「約束だ。いいか、椿に拒否権はないからな」  低い声でそう言うと、椿を押し倒して欲望を剥き出したように激しく舌を差し込み絡めた。  椿が庸介の肩を叩いても、身体はビクともしない。 「よ、庸介さん……苦し……」  顔をなんとか横にしてキスから逃れると、椿は大きく息を吸った。 「ダメだよ、勝手に逃げたら。拒否権はないって言ったろう」  庸介はチェストの上に無造作に置かれていたネクタイを掴むと椿の手を頭の上で縛った。
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