涙の雫を笑顔に変えよう

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「まだダメだよ、椿。次にイクときは指じゃなくて、こっちだ」  庸介の低く甘い声が耳に届く。そちらに顔を向けると、唇を塞がれた。舌と同じように、ゆっくりゆっくりと庸介が挿入ってくる。  もうなにも考えられなかった。  庸介に誘われ、椿はまたオーガズムに達した。  快楽だけではない。  愛されている喜びと愛する喜びで、心の中は幸福感でいっぱいだ。  動けないほどにぐったりとした椿の身体を庸介はキレイに拭くと、そのまま腕の中で抱きしめた。椿は気持ち良さそうに目を伏せ、規則正しい呼吸をたて始める。  意識の薄れるその間際で、庸介も気持ち良かったのだろうかと椿は心配になった。明日の朝、目覚めたら聞いてみようかと考えているうちに深い眠りに落ちたのだった。
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