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「あんな……舐めるなんて、ダメです」
ああ! と膝を打ちたい衝動に駆られる。
「そんなことか……。俺はてっきり具合が悪く……」
「そんなことではありません!」
椿の視線を感じる。とても真面目な瞳で庸介を睨んでいた。
「庸介さんは……庸介さんはたくさんの女の人と経験があるから、だから当たり前なのかもしれませんが、あんなことはもうしないでください」
恥ずかしがっていたはずなのに、今度は怒りだした。
たくさんの女といっても、それは過去の話だ。椿に出会ってからというもの、風俗はおろか、なんとなく繋がってきた女は全員切ったのだ。
「……あんまり考えないようにしていましたが、ダメだし嫌です! 嫌な気持ちが溢れてきて……」
頬を紅潮させて怒る椿の瞳から今度は涙がこぼれ始めた。
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