涙の雫を笑顔に変えよう

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「でも、それでは庸介さんが……」  眠れなくなって悪いことを考えてしまうのでは。そう言おうとする唇に庸介は指を立てた。 「大丈夫だ。たとえ俺が眠れなくなったとしても、腕の中で眠る椿を見ているだけで幸せなんだよ」  悪いことばかりを考えてしまう夜はもう終わったんだと、言葉に出さない代わりに庸介は微笑んだ。 「あと一つ」  目尻に少し残る涙を親指で拭ってやると、くすぐったそうに椿は目を細めた。 「なにか分からないことがあったら、ネットで検索しないでまずは俺に聞くんだ」  怪訝そうに眉を寄せて椿は庸介を見上げた。 「ネットは正解ばかりじゃないんだ。例えば、マグロ女の解釈もイマイチおかしいし、過去のことをウジウジ気にする女は重いっていうのもさ、人それぞれなんだよ」  さらに眉根を寄せて椿は庸介を見ている。
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