涙の雫を笑顔に変えよう

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「じゃ、早く干して朝飯食おうか? 腹がぺコペコだ」 「はい。……庸介さん」 「うん?」 「庸介さんは、私に甘過ぎだと思います」 「え?」 「こんなに甘やかされては、私は庸介さんに頼りっきりになり自立した女性になれないような気がします」  自立した女性という文言に、庸介は意図せず吹き出してしまった。 「な、なんて笑うのですか!」  顔を真っ赤にして椿が睨んでいる。確かに笑ったことは失礼だと、慌てて口を押さえると視線を天井へ向けた。  下からは潤んだ瞳で怒りの視線を投げてくる。 「いや、ごめん。バカにしているわけではなくて、その……俺は甘やかしているとかそんなふうには思わないよ」 「でも、なんでもかんでも庸介さんに相談していたら、自分ではなにも決められない人間になりそうで嫌です」 「違うよ椿。そうじゃないんだ」  睨む椿の頬を撫でると庸介は笑った。
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