涙の雫を笑顔に変えよう

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「なんでもかんでも俺を頼れとか、全部を俺に委ねろとかそういうわけではないんだ。……でも、俺としてはすっかり俺に頼りきりで、俺がいないとダメなくらいになっても構わないんだけどね。それはそれで、俺の好きなようにいろいろできそうだし」  いやらしくニヤリと笑う庸介を椿は不思議そうに見上げた。いろいろできるの意味が全く分かっていないようだと、逆に庸介は恥ずかしくなり思わず目をそらした。 「ええと……。だからさ、一人じゃないんだ、二人なんだ。相談できることは相談して、分からないことは二人で調べたらいいじゃないか」  庸介は椿のおでこにおでこを付けた。 「これから先の長い将来も二人一緒なんだ、支え合って生きていこう。な?」 「支え合う?」 「ああ。椿は決して男に依存するタイプじゃない。優柔不断でもない。しっかりと自分の意見を持った芯の強い女性だと思ってるよ」  庸介の言葉に、椿は満更でもない顔つきで照れくさそうに口をつぼめている。
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