涙の雫を笑顔に変えよう

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「行きます」 「無理してないか?」 「無理していたとして、でも庸介さんがいますから大丈夫です」  そう笑うと、短い髪を指先で弄んだ。 「あ! 私、パーティーに着ていくような洋服持っていないのです。笹川さんにお願いして、今週末に一緒に行ってもらいます」 「なんで? 今日でも俺と行けばいいだろう?」 「ちょうど土曜日に、ランチに行こうと誘われているのです。退院報告も兼ねて行こうと思うので、その時に一緒に見てもらいます」  そうか……と残念そうに視線を下ろす庸介の手を握ると笑って顔を覗いた。
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