愛しい君へ、愛しいあなたへ

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愛しい君へ、愛しいあなたへ

 寝室のドアをノックする。 「椿?」  パーティー当日がやってきた。  先週末、大きな紙袋を肩から下げて椿は帰ってきた。  当日までのお楽しみだから絶対に見ないでください! そう椿は念押しすると、さっさと自分のクローゼットにワンピースらしきものを掛けてしまった。 「庸介さん、こっそり見るのもなしですからね!」  自分でハードル上げているなんて、椿は思いもしないのだろう。庸介は優しく笑って頷くと、もしも想像の範囲内だったとしても大いに褒めて驚こうと、心に決めていたのであった。
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