愛しい君へ、愛しいあなたへ

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「意味があるって知ってる?」 「分かりません」 「あなたにキスしたい」  庸介は顔を傾けると椿の唇にキスをした。  ゆっくりと離れる庸介の唇に、グロスが付いているのが見えた。 「庸介さん、グロスが……」 「拭けばいい」  もう一度重ねると庸介は椿を真っ直ぐに見つめた。 「すげー可愛い」  甘い瞳で見つめられ、恥ずかしさから目を伏せる椿に再度キスをした。 「すげー好きだ」  音を立てて離れまた重なる。深く深く椿の唇を食むと、椿も舌を絡めてきた。  髪の長さなんて関係ない。  今の椿はキラキラと輝いていて美しい。愛おしい。大切にしたい。大事な、俺だけの椿だ。  伝わることを祈りながら、庸介は深く甘い口づけを重ねた。
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