愛しい君へ、愛しいあなたへ

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「たくさんのイケメン俳優さんがいたとしても、庸介さんが一番かっこいいです」 「……本当?」 「はい」 「怪しいな。津田さんを前にしたら俺なんて忘れて熱っぽく見つめるんじゃないか?」 「そんなこと……私は庸介さんだけです。そりゃあ、テレビでしか見たことのない人が目の前にいれば興奮しますが、熱っぽくなんて……」  庸介の意地悪に困ったように眉をひそめる椿の耳元に庸介は唇を寄せた。 「じゃあさ、今夜はすっかり傷付いてしまった可哀想な俺を慰めてくれる?」  すぐに意味の分かった椿は頬を染めて目を伏せた。 「ホテルの風呂、一緒に入ろうな」 「……ホテル?」 「パーティー会場のホテルの部屋を取ったから、今夜は泊まりだよ」  喜ぶと思っていた。喜ぶはずであった。  庸介は告げるタイミングを誤ったのだ。  
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