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仁義なき戦い?
「やだやだっ、絶対にやだーっ!」
蛍くんが顔を真っ赤にして両拳を握りしめ、力一杯叫んだ。
うん、分かる。
分かるよ、蛍くん。
...僕もいま正直、同じ気持ちだもん。
とは言えそれを口にするのはちょっと憚られると思ったから、無言を貫いた。
「無理言って、すみませんでした。
そうですよね、好みって人それぞれだし。
後は皆さんで、楽しんで下さい。」
いつになく饒舌にそう言うと、爽やかな笑顔を浮かべてキッチンから立ち去ろうとする久米さん。
でもその背中からは、どす黒いオーラが立ち上がっている...ような気がする。
801レンジャーのブルー、まさかの闇落ち回っ!?
いやいや、そんな事を考えてる場合じゃない。
...冷静になれ、自分。
この場をどうにかして、おさめないとっ!
そこで蛇塚くんに助けを求めようと、ちらりと視線を送ってみたのだけれど。
...目が合うと彼は、ニタリと笑った。
くっ...!
絶対にこの状況、楽しんでるよねっ!?
レンジャーものの番組で見るシルバーの、敵か味方かわからない感じはワクワクして大好きだけど、今日だけは味方であって欲しかった...。
そもそもの話、何がどうなってこんな険悪な状態に陥っているかというと。
...話はおよそ、一時間ほど前に遡る。
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