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翌日、俺はいつも通り東雲さんを原動力に図書館業務に勤しんでいた。
「配架に行ってきまーす。」
声は張らず、だがカウンター内にはそこそこ聞こえるように声を出してからカートを持って行く。
昨日と同様、それなりに量のあった本を元あった場所に戻した。
そういえば、とふと例の日記帳の存在を思い出し、なんとなく『ご意見Box』の方を覗く。
すると箱の前に一人の少年がいた。
いや、少年というには些か彼に失礼だろうか。
だが青年というには余りにもぱっと見の印象が幼い。
「何かお探しですか?」
「えっ?」
俺が声をかけると、びくりと肩を震わせて彼はこちらを見た。
何やら考え事をしていたようで、俺が居ることに気づいていなかったらしい。
これは少し申し訳ないことをしたな。
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