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「それっ!」
「やっぱりあなたのですか。」
「……そうです。」
彼は日記帳を手に取り、パラパラと中身をめくる。
そしてそれが昨日と変わらない状態だと気づくと、どこか落胆したような、安堵したような複雑な表情を見せた。
「……何か話したいことがあれば聞きますよ?」
「え。」
「幸いなことに、今ここにはただの通りすがりの図書館員とあなたしか居ませんから。」
ただの通りすがりの図書館員って何だ。
自分で言っておいて、自分でツッコむ。
そんな俺のことに気づかない彼は、何かを決意したかのように俺を見た。
「……清水、翔です。」
そう自己紹介した彼、もとい清水くんはポツリポツリと語り始めた。
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