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清水くんには、歳の離れた従姉弟がいる。だがのっぴきならない家庭の事情で、彼女と清水くんとの間に血縁関係はない。
それもあってか、清水くんにしてみれば、従姉弟というよりも優しいお姉さんという認識だったらしい。
だったというのは、その優しいお姉さんのことが恋愛感情として好きだと気づいたからだ。それが高校生の頃で、以来、10年近く片思いをしている。
「……ちょっと話の骨を折るようで申し訳ないのですが、清水くんは今おいくつなんですか?」
「25ですが、それが何か?」
「いえ、なんでもないです。」
まさかの俺より3歳も年上だった。
先程は少年とか、幼いとか言ってごめんなさい。
不思議そうな顔をする清水くん……いや、さん付け?ああ、もう君付けでいいや!
その清水くんに気にしないでと言いつつ、話の先を促す。
その清水くんの片思い相手のお姉さんが、今年30歳になるのだという。それもあってか、本人も「そろそろ結婚しようかな。」と言っているのをたまたま聞いてしまったらしい。
想いを告げるにしても、そののっぴきならない都合とやらで言いにくいそうだ。
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