7人が本棚に入れています
本棚に追加
「それで、少々焦ってしまいまして。」
「……。」
「藁にもすがる思いで、七不思議と言われる物に試しに手を出してみようかと。」
少々どころじゃない、と思う俺は間違っていないはず。
実年齢を聞いたにも関わらず、俺よりも幼く見えてしまう清水くんに対してそれは言わなかったけれど。というか言えなかったけれど。
とてつもなく清水くんが純粋に思えるのは、俺がとてつもなく薄汚れているからか?
そういえば番犬先輩に「中原の東雲への想いは、純粋通り越してもはや狂気だよな。毒だ毒。純度高すぎて劇薬認定だ。」とか何とか言われたなあ。
とまあ、それは置いておいて。
「難しい、ですね。」
「ええ。……結局の所、ただ怖いんですよね。今の心地良い距離感を壊してまで言うべきなのかどうか。」
「……。」
俺はその『心地良い距離感』とやらが生まれる前にぶち壊したからなあ。
何も答えられず、遠い目をする俺に背後から女神様のお声がかかる。
「中原くん、ここに居たんだ。」
「東雲さん!」
「猫ちゃんがね、『どこほっつきやがってるあの野郎』ってノンブレスで言ってたよ。……あれ、そちらの方は?」
……猫田さん怖い!!じゃなくて。
最初のコメントを投稿しよう!