東雲さんのご機嫌しだい

1.『デイリーログのご意見番』

クスクス笑う東雲さんも可愛いなどと内心惚けたことを思いながらも、言われた単語に意味がわからず首を傾げる。

そんな俺の様子に一層東雲さんのクスクスが増える。
文字にするとクスクスクスという具合だろうか。クスクスのゲシュタルト崩壊が起きそうだ。

「ジンクスみたいなのと思えばいいよ。」

「はあ。」

いまいち容量を得ないような俺の返事をよそに、東雲さんはクスクスクスを継続する。

クスクスクスをしながら七不思議について話してくれた東雲さんは、話終わる頃にはクスクスクスクスになっていた。

どうやら余程俺の反応が面白かったらしい。
そんな東雲さんも綺麗だから、許しちゃう。

とりあえず東雲さんから聞いた話を整理すると、こんな感じだろうか。

この図書館には七不思議という名の、恋愛に関するジンクスがある。

『702.16の奇跡』
『仲間はずれのイス』
『落ちた羽ペン』
『紛れ込んだ一輪の花』
『12時の鐘の音』
『女神様のご機嫌しだい』

そして今回の『デイリーログのご意見番』ってやつ。