好きな人の弟

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好きな人の弟

家に入ると、海斗はあくびをしながら私の部屋に向かった いつもの事だったはずなのに 約10年ぶりに家に入った彼に 妙に胸の奥が騒ついた 「お前、部屋全然変わんねーな。」 そう言いながら、私のベッドに寝転ぶ海斗は きっと、いや…絶対 私の事など意識していない 恋愛対象が男なんだから、当たり前だけど… 「りっくん、なんかおかしいんだけど。」 さっき、キスされたなんて言えるはず無いが 何も言わないのは、あまりにも悔しくて 思わず、意味深な事を言ってしまった 「…何が?」 お。 意外と食いついた 「なんか…、いつもと違うっていうか…」 「酔っ払ってんじゃね?」 …… そうだろうか そんな、簡単に片付けられるような感じでは… 理玖の強い眼差しを思い出す あれは決して、酔った勢いなんかでは無い でも、彼の気持ちには応えられない 海斗は今にも閉じてしまいそうな瞼をこすり 私に手を伸ばした
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