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果たして、時間通りに物陰から男が現れ、真千とぶつかる。
「すみません!」と言って、真千が目線を上げる。
…はずだった。
それなのに、真千は真正面を向いたかと思うと、
何故か桜井と目が合ったまま、ピタッと動きが止まる。
今まで、散々この場面を見て来たが、
初めて起きる展開に、桜井の理解が追い付かない。
さらに、真千の口から、思いもよらない言葉が飛び出す。
「パパ?」
ぶつかった男が、真千の言葉に怪訝そうな顔をして後ろを振り返る。
カウントダウンが0になったのは、ちょうどその時だった。
訳が分からないまま、桜井は反射的に雄叫びを上げていた。
「うぉぉぉぉぉ」
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