セロファンの咆哮

Day by day

「また考え事？」
桜井の妻、佳恋が心配そうに声を掛ける。

娘を救出することが出来なかった桜井は、
あれからずっと、どうすれば事件を食い止めることが出来るのか、
考え続けていたが、未だに答えを見つけられずにいた。

「なあ、幽体離脱してる人って、
どうしたら見えるようになると思う？」

突然の桜井の問い掛けに、佳恋は意表を突かれた面持ちで、
「真剣な顔して、そんなこと考えてたの？」と吹き出した。
幽体離脱なんて話、あまりにも現実離れしすぎてる。

「だったら、透明のセロファン紙あるだろ？
あれを使おうと思ったら、透明でどこにあるか分からないんだよ。
それって、どうやったら見つけられると思う？」

少しでも、現実味のある話に置き換えてみる。