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最終
日々を過ごす中で、段々と自分と向き合う事が出来てきたように思う。
言うなれば余裕が出来てきたのだ。
勿論、ずっと眠っていたいという願望と、死への憧れは無くなってはいない。
だけども、もう少し生きても良いと思う自分もいる。
だからこそ、これで終わりにしようとまた細ベルトで首を絞めた。
何だろうか、酷く自分が曖昧になっていく感じがした。
自分で言うのもアレだが上手く出来たと思う。
完全に呼吸が止まって、閉じた目の中の視界の暗闇にチカチカと白い光が瞬いて。
死ねると確信した。
ブチッ
すぐ近くで何かが千切れた音がした。
遅れて、とても大きなものが倒れる音がした。
ふと、気づいたら床へと座っていた。
使っていた椅子が少し遠くで転がっていて、近くにあったのでゴミ箱も椅子の近くで倒れていた。
右足の小指がジンジンと痛みを訴えていて、ああ椅子かゴミ箱にぶつけたのだと察した。
手元には二つになった黒い細ベルトが転がっていて。
全体重に耐え切れず千切れたのだと、察した。
それに酷く悲しくなったと同時に安心した。
それから、首を絞めることはなくなった。
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