第2話 先生、または桜井蒼汰

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 逃げようとする俺の腰をがっしりと押さえつけて、桜井蒼汰が再び右手を上下させてくる。あっという間に芯を持ってしまった俺のそれが、桜井蒼汰の手の中で卑猥に濡れた音を立て始めた。 「やっ、めろ……もう、放せっ……」  混乱して、頭の中の収集がつかない。どうすればいいんだろう。もしかしたら大袈裟でも何でもなく、これで俺の人生は終わったのではないか。 だってこんなの、どう考えたって大ピンチだ。 「い……言わないで」 「ん?」 「お願いだから、あ……武虎には、っ……言わないで」  自分でも哀れに思えるほどの気弱な声、そして情けない言葉だった。 「俺が、そんなこと言う奴に見えるか?」  流石にムッとしたのか、桜井蒼汰が不機嫌そうに目を細める。 「だって、だって……こんな、のっ……あぁっ!」  こんな状況なのに、猶も激しく扱かれる下半身の刺激に耐えることができない。俺は低く身を屈め、桜井蒼汰の肩に額を押し付けてしゃくりあげた。 「お願、ぃ……だから、言わないでっ……」 「落ち着けよ翼くん、コッチに集中しろ。そろそろイきそうなんじゃねえの」 「あっ、あ……! 嫌、だ……もう、無理っ……」  屹立したその部分から体中に強烈な電流が走り、俺は腰を痙攣させながら桜井蒼汰にしがみついた。それが射精の前兆であることは分かっていた。 「出、ちゃ……う、からっ……あぁっ!」 「おっと」  上着のポケットから取り出したハンカチで、桜井蒼汰が俺の先端を包み込む。体が燃えるように熱くなったと思った瞬間、俺はその中に白濁液を放出させていた。 「は、ぁ……」  徐々に引いてゆく熱。目の前に散る星、虚脱感に体液の青臭さ──。俺は目の前の男にしがみつき、力の抜けた体をぐったりと寄り掛からせた。 「大丈夫か」 「大丈夫……な、訳ない」
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