怠惰と惰性の狭間の女とは

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その彼の名前は仗(じょう)さん。歳は同じで会社も同じ。この辺りから腐臭が、いやBLっぽい雰囲気を感じ取ったんだけどね。 話を要約すると丈さんもイケメンで女には困らない遊んでる人。 彼は仗さんのこと嫌いとか軽くていい加減な最低男だとか散々言ってたけど、その一方でそれなりに心配していて友人としての好意以上は感じてるっぽい。 ………それって嫌い嫌いも好きのうち、ってやつ? 思わず口走ったら、すっごく嫌な顔しながらも顔真っ赤にしてぶんぶん首横に振って否定するもんだから可愛くて可愛くて。 まぁ、そのアレよね。あたしこの段階で龍之介さんのこと萌の対象。腐女子としての観察対象になっちゃったのよね。 つまり恋愛には発展しないやつ。 でもなんでだろ………すっごい楽しいぃぃ! まだまだまだまだ話が聞きたい!彼に萌えていたい。そう思っていても既に遅い時間になってる。 『あ、あの! この後! どっかで休みませんかっ』 勇気を出して言った言葉に龍之介さんは飲んでた水を吹いてた。リアルで初めて見たわ。 なんか面白い。 まぁでも他に言いようあったよね。事もあろうに男が女に言うようなベタな誘い文句だもん。 でもその時の脳内アドレナリン爆発中のあたしはそんな事考えもつかなかった。酒飲んでたのもあって、色々とリミッター解除されてたのかも。 しかもまたまた生娘みたく顔を赤らめて小さく頷くもんだからもうね。 あ、生娘はあたしか。 とにかくあたしがホテルに連れ込んだのよ。連れ込んでしまったから我に返るわけだけどね! なんか今度はあっちが男っぽい雰囲気(男だけど)出してリードしてくるから、持ち前のコミュ症発揮してなんにも出来ないし話せない。 あたしだって女だし、別に性嫌悪とかじゃないから興味もあった。だからこの際これで未経験卒業しよっかなと思った。 こんなイケメンに抱かれるなら、うん、素敵だなって。話はそれからでいいかって。
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