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「………ほんと、ごめんなさい」
ベッドに腰掛けてまさに考える人みたいになってる。
結果?ああ。あたしは処女のまま。未貫通よ!
「謝らなくても………ほら、よく言うんでしょ? 男性の機能って結構デリケートだって」
F子とC美の受け売りだけどね。
「ほんと、ごめん」
「だから良いですってば。あ、水でも飲みます?」
俯いて謝ってばかりの龍之介さんにペットボトルを差し出すと、ようやく顔を上げてくれた。
「ありがとう。姫乃さん」
眉を下げたその顔はもう可愛いの一言。目尻に涙まで浮かべて。てか、よっぽどショックだったのか。
女には分からない男の精神構造ってのがあるんだろうな。知らんけど。
「気にしない気にしない!でも。もし良かったらですけど」
シーツの上。にじりよるあたしに怯えるような視線を返す。いいねいいねぇ、その表情………じゃない。
「お友達のこと、もっと聞かせてもらえませんか?」
「え、仗のこと?なんで………」
まさか『貴方とそのお友達とでホモな妄想したいです。できればそれを創作に生かしたいんですぅ』
……なぁんて言えないしなぁ。さて、どう取り繕うか。
あたしは落ち着いて、再び少ない脳みそフル回転させるべく気づかれないように小さく息を整えた。
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