天界のお仕事

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 いくら業務が手抜きになったとはいえ、執務室はまだまだ目の回るような忙しさだった。 「〇〇さんとこには十年に一度の漫画の才能です!」 「△△さんとこには五ヶ月に一人の歌の才能!」 「ちょっとしたカラオケ上手いレベルじゃないか!」 「□□さんのとこのご子息には、ツンデレ幼なじみにモテる才能!」 「この人んとこには……ふんわり笑顔で近くにいる人をハッピーにする的な……」 「それって才能なんですか!?」 「次の人んとこはむっつりスケベな才能だそうです!」 「それこそ才能なんですか!?」  天使たちの怒号が鉄火場のように響く。  くじなりダーツなり、はたまたランダム文章作成ツールの結果などで割り当てられた才能を天使が口頭で伝えて、神様代理を務める天使が責任者として書類に記載するというリレー方式。  中には「こんなのでいいの?」と不安になるような才能もあり、伝達役の天使たちの間でもツッコミ合戦が繰り広げられているといった有り様だ。
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