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才能
「野良球男には申し訳ないことをしてしまった」
「菓子折りでも持って行った方が……」
「いや、無理でしょ。天使が人間に会うのは天界法律で固く禁じられてるし」
「それにお詫びのしようなんてないよ。人間は才能の付与のことなんか一切知らないし、いきなり謝りに来られても彼的になんのこっちゃだろう」
「……彼、今頃どうしてるんだろう……」
「野球は……やめただろうな……」
「…………」
野良球男の動向が気になり始めた天使たちは、モニターを縁木才子チャンネルから野良球男チャンネルに切り替えた。
映し出されたのは野球のグラウンド。国内でも有数な、とあるドーム球場だ。
そこのベンチに──。
野良球男はいた。
──ユニホーム姿で。
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