プロローグ

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 告白の経験がまるでない私にとって、それは難しい相談である。  しかし、適当な回答はできないので、今日家に帰ってからじっくりと考えたい。  ちゃんと朋絵に許可をもらって、明日の朝に答えると伝えた。  学校に到着するなり、私は園芸部の活動を開始する。  毎朝の野菜への水やりや、バケツで育てている稲の管理など、率先して行っている。  それは一年生のころより変わらない私の日課の一つでもある。  おかげさまで、三年生になりすぐに部長を決めるときも、満場一致で私になった。  部長になりたいがために、やっていたわけではないが、みんなが私を推薦してくれたのは、とても嬉しかった。 「よぉ、藤堂、今日も頑張ってるな」  校舎裏では鶏を四羽飼育しており、そのお世話をしてくれている四十代の橋本先生が私に声をかけてくれた。 「おはようございます! 先生も毎朝ありがとうございます」 「なぁに、俺の数少ない楽しみの一つよ。 それに俺以外だれも世話しないから、可哀そうでな鶏たちが、これから会議あるからもう行くが、藤堂もソコソコにして、教室行きな」  私は返事を済ませると、じょうろを片付け教室へ向かって歩き出す。  今日も空は晴れている。 少し土で汚れた靴は私のトレンドマーク、きっといつか父のようにカッコいい泥のついた長靴の似合う女性に私はなりたい。    
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