聖夜のみらくる

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聖夜のみらくる

聖夜のみらくる もうすぐクリスマスだなぁ。 街の集会所では、 いつもの仲間達が、これから来るクリスマスについて、 あれこれ話してます。 黒猫のスカイは、まだ生まれて少ししか経ってないので、クリスマスは初めてのことです。 「クリスマスってなに?」よく会うぶちのジジに聞いてみました 「クリスマってのはね、1年に1度サンタクロースがみんなにプレゼントをくれる日だよ。その日は全ての生き物に欲しいものが届くんだ。でもね、初めにお願いをしておかないとダメだよ」 それを聞いてスカイは お願いをするのか そうか 欲しいものか~ と、 頭の中で色々と考え始めました。 スカイのお家には飼い主のお父さん達の他に、仲良しのゆりちゃんという女の子がいます。 ですが、 ゆりちゃんは重い病気にかかっていて、お外に出ることができません スカイはゆりちゃんとお外を歩いたり おもちゃで遊んだりしたいといつも思っていました。 こっそりサンタさんにお願いしてみようかな そんなことをモジモジ考えていたけれど 字も書くことが出来ないので、仕方なくお願いするのをあきらめました。 あ~あ、 サンタさんに願いが届くといいのにな と思いながら。 クリスマスの前の晩 クリスマスイブの日のこと スカイは、ゆりちゃんの傍で、うつらうつらとしていました。 コンコン 窓を叩く音がします 誰だろう? サンタさん? まさかな。 と思いながら覗いてみると そこにはいつもの仲間の猫達 犬達 そして あちこち焦げ焦げになったタカ。 ん? タカ? 鳥は夜はおうちから出れないのに スカイは目が丸くなって口がぽかんと空いたまま その場に釘付けになっています ジジが 「おい!早く開けろよ!寒いって」と言うので あわてて窓を開けると ドサドサとみんなが入ってきて、 ゆりちゃんを囲みます なに? なに? スカイはわけがわかりません 「あ~、やっと明るいところに来れた、やれやれ、いくらクリスマスの魔法だからって夜に飛ぶのは大変だよ」 といいながら 焦げ焦げの、タカはブツブツ言いました。 そして 口を開けたままのスカイの目の前に 大きな大きな箱を出すと みんなは一斉に 「メリークリスマス!」とスカイに渡します これは? 大きな箱には金色のリボンが結んであり とても重いものです。 恐る恐る開けてみるとそこには 大きな大きな光の玉が入っていました 1歩前に出てジジが話します 「この光の玉は、太陽の分身、その分身はどんな病気も治すと言われてるんだよ。だけど、それを取りに行けるのは大昔から鷹の使命なんだ。僕達は今年のクリスマスに、タカと仲良くなることを望んだのさ。そして、サンタクロースが、鷹を連れてきた。 そこで」 ここまで言って1度みんなを見回すと 「連れてきてもらった鷹に、君の願いを伝えた」 「え!なんで?」 「だって君はまだ字が書けないし、僕達の願いを全部叶えようとおもったからね」 ジジの話はこういうことでした 「僕達はタカとなかよくなる。タカに君の願いを伝える。君は幸せで笑顔になる。ゆりちゃんも笑顔になる。 それを見て僕達も笑顔になる」 聞きながらスカイの顔はだんだんとくしゃくしゃになって行きます 「プレゼントはさ、笑顔なんだよ」 僕達が欲しいものも君のほしいものも、全ては笑顔があるからなんだ。 それを聞いでスカイは我慢できなくなり わんわんと泣きだしました。 後ろからキジトラのスバが、 「おやおや、笑うはずが泣かせちゃったよ」 というとみんなみんな声を出して笑いだし スカイも泣き笑いの顔になりました。 「さ、どんどん、光の玉を放してくれよ。僕はもう帰るんだらさぁ」 苦笑いしながら鷹が言うので みんなで箱の中から、玉を取り出すと、ゆりちゃんの上に飛ばしました いっせーの! 光の玉は大きく弾けて、ゆりちゃんや、 みんなの中に キラキラと降り注ぎます。 眩しくて眩しくて スカイは目を閉じてしまいました。 メリークリスマス! という声が響いたまま おはようー!スカイ! という声で目を覚ますと そこにはゆりちゃん顔があります あれ? あれ? 光の玉は? いつの間にか眠ってしまったのでしょうか 昨日の夜のことは? するとゆりちゃんが続けます 「ねぇ、スカイ。わたしにね、サンタクロースが来たんだよ。私が元気になるようにしてもらったの。みて?歩けるし、熱も出ないし。すごいミラクルじゃない?」 そっか、あれは夢じゃなくてほんとに起きたミラクルだったんだ! スカイはワクワクして、 昨日のことをゆりちゃんに話そうと思いましたが ゆりちゃんには言葉がわからないかもしれないから、黙っておこうと思いました。 街の集会所には、いつものメンバーが集まってます ゆっくりと近づいてスカイが挨拶をします こ、こんにちは。 そして 振り向いたみんなも こんにちは! よう、スカイ! 幸せかい? みんなの顔は誰も彼も同じです スカイももちろん同じ顔です だってみんな、欲しかった 「笑顔」をプレゼントされたんですからね。 しあわせって笑顔があるから感じるんだなと もうそれを知ったスカイはみんなの所へ走っていきました。 龍翔琉、作
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