アイドルじゃない

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ばんりは少しずつ進んで来て戻っていく。またその繰り返し。その度に内蔵が押し上げられて引き出されそうな感覚。 苦しい。全然気持ち良くない。・・・死にそう。 「元アイドルにさせる顔じゃねぇな」 自分の額と俺の額とを合わせて至近距離でばんりが見つめてくる。 「も、アイドル・・・っ、じゃない、よ」 今は、芸能人でもない。ただ目の前のこの人を好きなだけの普通の男。 だからばんり、俺のことが好きだって言って。 「ばんり・・・っ、ひっ、あぁ、んあっ、あ──・・・」 腰を捕まれ規則的に揺すられて、その言葉は言えなかった。代わりに出てくるのは、悲鳴に近い叫びだけだ。 大丈夫なんて言わなきゃ良かった・・・。 数回も行き来されると、余りの苦痛で気が遠くなってくる。 「やだ、・・・いやぁ・・・ごめ、な・・・さ、むりぃ」 意識が薄れて、もう彼を拒絶する拙い日本語しか出なかった。 こんなに好きなのに、気持ちに体がついて行かない。 「シウ・・・っ、」 体を揺らす振動が止まって、中が熱く満ちていく。 良かった・・・。ばんり、ちゃんとイけたんだ・・・。 ばんりが達したのを確認して安堵した俺は、目を閉じて意識を暗闇に沈めた。 好き。大好きだよ ばんり。俺が女じゃなくてごめんなさい。 奥さんがいるのに、好きになってごめんなさい。 でも、こんなに頑張ったんだから、わかってくれるよね?ばんりもきっと好きになってくれるよね・・・?
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