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そしてもう一つ・・・適当な相手と遊べなくなった事。ソファで寝るよりこっちの方が大問題だ。 何とか時間作って抜いとかねーと、いつまたシウのフェロモンにノックアウトされるかわかったもんじゃねえ。 あれから一度もシウの体には触れていない。 あいつも俺には無闇に近付こうとはしないし、四六時中一緒にはいるが、二人の間に薄い膜があるような距離感。 シウは相変わらず生意気で我儘ばかりで、特に変わった様子は見られない。 なんとも言い難いこの距離を感じているのは俺だけか・・・? 「あー、違うそうじゃないよ。ここは左足が着いたのと同時に右足を浮かせて・・・・・・うーん、リズムにノリ切れてないなぁ。暫く休憩しよっか」 振付師は音楽を止め、ダンススタジオのレッスン室から出ていく。 壁を覆う鏡の前に立ったまま肩を大きく上下させ、シウはTシャツの胸元を掴んで顎から滴る汗を拭う。 「どうした?お前らしくないな。疲れてんのか?」 シウは俺が差し出したスポーツドリンクを受け取らず、無言のまま音楽を流し、一つ一つ自分の動きを鏡で確認しながら黙々とダンスを続ける。 こうなったら誰の言葉もこいつの耳には入らない。 俺は暫くシウをひとりにする為に部屋の外へ出る。
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