2566人が本棚に入れています
本棚に追加
/555ページ
「今。すぐにだ。できるだろ?湊くんからはちゃーんと現金で受け取ってるんだもんな?」
俺が遊び歩いて散財したのを知ってるくせに・・・!
「・・・わかりましたよ!やりますよ!」
「当然だ。借金がなくても、今まで働かずに給料貰ってただろう。甘えて来た分の働きはしてもらうぞ」
くっそ、何も言い返せない・・・!
「シウを転落させるような事があれば、辞表を書くことになるぞ。しっかりサポートしろよ」
脅しかよ・・・!クソ親父~!
「・・・わかりました」
俺達の会話など興味無い、と言わんばかりに窓の外を見詰めたままのシウ。
「シウ、今日から俺がキミのマネージャーです。よろしく」
ようやくシウが俺の目を見る。
美しいシアンの瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
韓国と日本のハーフと聞いているが、この瞳の色はアジア以外の血も入ってるな。
「よろしく、万里さん。めいっぱい俺を売り込んで、転落させないようにしてください。男と心中なんて笑えないんで」
その整った美しい顔からは想像もつかない、ハスキーな低音ボイス。意外過ぎる。
しかし、そのギャップにさえ魅力を感じさせる引力を、こいつは持っている。
・・・にしても、テレビで観るよりだいぶ生意気そうだな。
こうして俺は親父の采配で、快適だった人生を180度変えられてしまったのである。
最初のコメントを投稿しよう!