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翌日、土曜日なのでもちろん学校は無い。ひさしぶりにまともに眠れた気がする。他のみんなはろくに寝れてないんだろうな。というかそれが普通だ。私はとうとう壊れてしまったのだろうか。
今さら壊れたもクソもないか。
そうだ、私達は奈津美の持ち物と、身体と、精神を、汚して崩して壊し続けた。それも笑いながら。あの時からもうすでに狂っていたんだ。みんな、みんな。
私たちだけじゃない。隣のクラスだって先輩たちだって、日本中のいや、世界中の子どもたちがいじめをしている。子供なら暴力も、器物損害も、名誉棄損も、「いじめ」で済む。その結果、被害者が死ぬことだってあるだろう。実際、奈津美が自殺を考えていたとしてもおかしくないくらいのことをしていたと思う。
でも、死んだのは香也だった。あんなにエラそうにしてたいじめの主犯。誰も予想していなかった結末だ。
LINEの着信音が鳴っている。少し起き上がって画面を確認すると、やはり利佳子からだった。「晴美、今いる?」だって。なに急に名前で呼び始めてんだよ、キモ。もちろん無視して、私はもう一度眠りに落ちていった。
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