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はじめまして
1000年以上前の日本で生きていた少年達のお話しをします。
四郎は海のそばで生まれた。
父は漁師で、父が海に出ている間には母と兄と一緒に浜辺に行った。
母は海に潜って、アワビやサザエやワカメを取ってきた。
海の幸は貴重で、干したり塩漬けにされて売られた。
遠い親戚のおばさんが商売が上手で、一番いい商品を都の貴族の家に持って行った。
貴族はとてもよい値段で買ってくれた。
親戚の家の小さな男の子がとても賢くて、親からどうにかならないかと相談された。
沢山の人に会い、毎日商売をしていると山の寺に預けるのが一番いいのではないかと思い始めた。
当時の日本では、学問や教養を身につけることができるのは寺が一番いいと、それしかないと考えた。
寺は女人禁制であり、そもそも女の人にはよほどの身分が無い限り字を読み書きする事すら出来ないのだ。
男の人だって生涯、読み書きをすることが出来ない人達もたくさんいた。
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