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「わかった、
すぐに何着か送るわ。
早く言ってくれたら新しく誂えてもよかったのに」
沙羅は嬉しそうに電話の向こうで請け合ってくれた。
山ほど送られては困るので麗奈は一応付け加えておく。
「万が一の予備の二着くらいでいいから」
案の定沙羅はガッカリしたように言った。
「あらそう…そう言えば大翔君は元気?」
「え?」
「そっちに居るでしょう?
仲直りしたなら一度帰って来ればいいのに」
意味がわからず麗奈は無言になってしまう。
不穏な感じが伝わったか沙羅が少し慌てた様子になる。
「え…もしかしてそっちにはいないの?」
「わからない…もう何日も来ていないから」
「そんな事って…。
うん、
わかったわドレスも全部任せて麗奈ちゃんは気にしないで」
最後は沙羅は力強く締めくくった。
ヒロト君が帰っていない?
そんな、
まさかどこかで事故にでも。
電話してみようかな。
だけど散々向こうの連絡も無視しておいて今さら。
どうしたらいいんだろう?
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