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「元気出して」
その顔で言われると複雑だ。
しかし自分だって心細いだろうに、
こっちを慰めてくれようとするいじらしさに心は動かされる。
「…ありがとう」
目の前にいるこの子が麗奈だったら、
何も考えず抱きしめてしまえるのに。
「私も…大事な人がいたのかな?」
ブランシュは遠い眼になった。
警察は行方不明者の情報と彼女を照らし合わせて身元を割りだそうとしている。
しかし時間がかかるだろうし記憶はいつ戻る?
麗奈の事が解決しなくても俺はここには長くいられない。
彼女の行く末を見届ける事は出来ない。
どうすれば。
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