妊娠シリーズ

妊娠…プレゼント

　今日は私の誕生日なの。お友達集めてみんなで誕生パーティーするの。ホントはママも呼びたかったけど、ママを呼んだら、パパまで来ちゃうじゃん。あんな人種差別主義者なんか呼びたくないでしょ！みんなが不愉快になるだけよ！

　それで私はお部屋をキレイキレイにして飾り付けなんかしたの。ホントはダーリンにも手伝ってもらいたかったんだけど、彼飾り付けのやり方知らないし、教えようとしたら、ウキー！とか言ってすぐ怒るからしょうがないわ！私もう少しでママになるんだし、もうこういうことはあなたがやんなきゃいけないのよ！とちょっと叱ったら、ウキキー！とか言ってどっか行っちゃったの。

　私は今までダーリンとの子供を妊娠した事実をパパとママ以外には隠していたの。友達ですらダーリンを人間扱いしなくてペットだって思い込んでて何度言っても分かってくれないから、もうめんどくさくなって諦めたの。でも今日は友達みんなに告白する！私とダーリンのことをあの衝撃的な出会いから妊娠に至るまでのすべてのことを！

　玄関にピンポーンってチャイムの音がしたから玄関に行ってお友達みんなを迎えたの。友達たちは部屋に入るなり「やっぱり、サル子のマンションの部屋って広いよね。こんな広いの一人じゃもったいないよ」とか言うの。バカね！もう一人じゃないわよ。今は毛だらけで全身真っ黒なダーリンがいるんだから。

　みんなで私と全身毛だらけで真っ黒なダーリンを囲んで座るの。友達たちは彼を見ても微妙な表情してるの。多分、みんなこの前ダーリンに人種差別的な妄言をして私を不機嫌にさせたことわかっているから遠慮してるのね。日本人はやっぱり生まれながらの人種差別主義者。毛だらけで全身真っ黒でウキー！とか吠える人は人間として認めないのよ。日本人はどんないい人でも人種差別主義者の心は持ってる。悲しいけどそれは事実なの。

　友達が目の前で、私が行きつけのケーキ屋さんに発注したバースデイケーキのロウソクに火をつける。みんな笑顔で私を祝福してくれてる。私は泣けてきちゃってもう涙ポロポロよ。みんなありがとう！