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私は絶望して号泣したの。悔しい!悔しい!毛だらけで全身真っ黒なダーリンを人間だってなんで認めないのよ!とうとう私はやけくそになってワインをがぶ飲みしまくってやった。と、突然ダーリンがバースデイケーキを持って私に近寄ってきたの。そしてそのままバースデイケーキを私に投げつけたの。ケーキは見事顔面にクリーンヒット、顔面がパイだらけになってもうなんにも見えないの。
私はブチ切れて、顔面にくっついたパイを床に叩き落として、ダーリンを怒鳴りつけてやったの。
「アンタのせいで、こんな苦しんでいるのに!アンタって人は相変わらずこんないたずらばかりして!」
と叫んでケーキをムシャクシャ食い散らかしている彼にに飛び掛かろうとしたその時だった。
わかったの、私わかったの。何でダーリンがケーキを私になげつけたか。ワインなんか飲んでヤケになってる私をそうやって叱ったんだ……。『友達にバカにされたぐらいでそんなヤケを起こすなよ。アルコールなんかがぶ飲みしたら俺たちのベイビーが泣くぜ!』って。ゴメンね、ダーリン!バカにされたの私だけじゃない!一番バカにされたのは、猿扱いされたダーリンなのに。私自分のことしか考えてなかった。アナタだって猿扱いされて悔しかったのに、毛を逆立てて威嚇しないで必死に堪えてたんだもんね。
ダーリンに謝ろうして、ケーキを食べてるダーリンは私をチラッとみた、そのキレイな目と男らしい皺だらけの口元がこう語っていたの。
「謝らなくてもいいぜ。俺はダディとして当たり前のことをしただけだからな」
ダーリンの優しさに感動していると、突然ダーリンが私にチョコレートを投げてきたの。不器用な手でチョコをむしり取ってフーフーしながら私のとこに投げてきた。
「これ、なんなの。プレゼントのつもり?」
そう尋ねるとダーリンは不器用な笑みを浮かべながらフゥフゥと返事してくれたの。
私は感動で涙が止まらなかった。涙で床はびしょびしょだった。ありがとうあなたのプレゼント大切にするよ!いいんだ……誰も私たちを認めてくれなくても。
これからも私とアナタと二人で生きていこうね。
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