妊娠…捜索願

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 とか訳の分からないこと言ってるから私は、 「ふざけんな、このバカ!毛だらけで全身真っ黒なダーリンをチンパンジーなんかと一緒にするな!」といって、このバカをぶん殴って動物園から出てきちゃったの。  どこにもいない、ダーリンがいない!もう追いつめられた私は最後の手段と思い。とうとう警察に捜索願を出すことにしたの。だけど思い出したの。交番にあの夜の公園にいた人種差別主義者の警官がいたらと……。アイツがいたら私は速攻逮捕よ。かよわい両腕に手錠をかけられて…。ダーリンを見つけるどころじゃなくて、私は捕まって、裸にされてひどいことをされるかもしれない。勿論ダーリンとのベイビーは中絶。更にこのヤらしい色情狂の変態は拳銃片手に、後頭部を石で殴られた恨みを今晴らしてやる!毛だらけで全身真っ黒な男と毎日50回セックスしてた淫乱女め覚悟しろ!今すぐコイツをブチ込んでやる!と私をSMみたいに縛り上げレイプするかもしれない。日本は人種差別主義者の国、法律なんてあったもんじゃないわ!  だけどそんな不安をダーリンにもう一度逢いたいという願いがふっ飛ばしたの。勇気を出して!あの警官がいても大丈夫。また後頭部を殴って気絶させればいいじゃない!と私は覚悟を決めて交番に入ったの。したら、   「なにかお困りのことがおありでしょうか」  と若い警官が尋ねてきたの。よかった、あの人種差別主義者じゃなくて、と安心したら何か泣けてきたの。そしてダーリンの素敵な写真を見せながら、彼を探してくださいって頼んだの。
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