妊娠…捜索願

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「この人を探して下さい!毛だらけで全身真っ黒な愛しのダーリンなんです!多分裸で歩いていると思います。だから探せばすぐに見つかると思うんです。ああ!探して下さい!私は彼がいないと生きていけないんです!」  私はもうガン泣きしながら頼んだの。警官だって皆んながみんな人種差別主義者じゃないわ。あなたはまだ人種差別思想に染まっていないような気がする。だからお願い!ダーリンを探して!  若い警官は呆然としたっているの。私のダーリンを想う気持ちのあまりの狂乱ぶりにビックリしてる。あなた恋愛経験が足らないのね。女は愛する男のためにここまで狂ってしまうのよ。昼も夜も自分の警棒を握りしめてないで、あなたも本気の恋をしてみたら?と彼を少し哀れんでたら、コイツとんでもないこと言い出したの。 「う~ん、なんとも言えませんね~。こういうのは交番じゃなくて保健所に相談したらいいんじゃないですか~。多分この動物も扱っていると思いますよ~。それと質問なんですが、この動物を飼うのに許可書をもらっていますかぁ~?」    私、ブチ切れました。フザケんな!ボケェ!と叫んで交番中暴れまくってやりました。拳銃も奪い取って天井に撃ちまくりです。(あったま)きた!ふざけんな!この人種差別主義者のクズが!ダーリンを動物扱いすんな!散々暴れまくって交番から出てきたけどまだ怒りが収まらない。この国は人種差別主義者の国、毛だらけで全身真っ黒なダーリンを誰も人間とは認めようとしない。もう誰にも頼るもんか!ダーリンは私一人で探す!
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