妊娠…父親

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 私は言い切った。どうこれが本物の愛よ!いつのまにか駅前に人だかりができている。私の告白に聞き惚れてるんだわ!みてダーリンこれが私の愛よ!アナタもどっかで聞いてるんでしょ!早く、早く帰って来て!お腹のベイビーも待っているのよ!帰って来たら山ほどバナナあげるから!    私は勝ち誇ってパパを見たの。野次馬まで私を応援してる。がんばれーという歓声まで聞こえた!おいおっさん若い子をいぢめるなよ!と本気で怒っている人もいた。ジイさん諦めが悪いぜと呆れてる人もいた。パパはずっと俯いたまま、私に言い負かされたショックで顔さえあげられない。私は感謝の眼差を観衆に送ると、両手でスカートを軽く持ち上げながら、パパの方をくるりと向いて、さぁまだ何か言うことある?と顎を上げてこんどは負け犬のパパを軽蔑の眼差しで見つめたの。みるとパパがうずくまっているから、まさか病気?そんなまさか…とちょっと心配になってたら、ヤツはいきなりゲラゲラ笑い出したの。 「気でも狂ったの?」と私が慌ててたずねたらヤツは、笑いが止まらんと更に笑いだしたの。 「ハハハハハハハ!!狂ってるのは貴様だ!お前はホントに頭が可笑しくなってしまったようだな!アイツが人間だと!私が人種差別主義者だからあの猿を人間だと認めないだと!ならば、もう何も言うことはない。勝手に結婚でもなんでもすればいいさ。一生あの猿を飼っていけばいいさ。猿が見つかればな!何が本物の愛だ!お前は猿に逃げられたからこんな下らんビラなんぞ作ったんじゃないか!大体猿とマトモな意志の疎通が出来たのか?猿がお前にアナタヲアイシテイマスケッコンシマショウ!とでも言ったのか?猿は言葉なんぞ喋れんでウキー!ウキー!とか吠えてただけじゃないか!なにが愛し合っただ!猿はお前を便利な穴だと思って交尾しただけなんだぞ!ああいうケダモノは穴さえあれば何にでも挿れたがるんだ!お前もお前だ!愛とか綺麗事をほざいて、その実は猿を性欲を満たすためのおもちゃにしていただけじゃないか!とんでもない大人のおもちゃだ!何が愛だ!もうハッキリ言ってやる!お前があの猿としたことは獣姦なんだよ!」
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