妊娠…ホームレス

2/3
前へ
/290ページ
次へ
 私は急にこの人達がなんか可愛そうになってきて、泣きそうになりながらもう一度オジサン達にダーリンのポスター見せて言ったの。 「オジサン達!いい!この人を見つけてきたら皆にお寿司食べ放題奢ってあげる!一回じゃなくて毎日よ!ボラティアの施しなんかよりずっといいでしょ!この人を私のとこへ連れてくるだけでいいの!お願いみんな!約束は必ず守るから!」  オジサン達は寿司の食べ放題だと聞いて、よだれをジュルジュル垂らしている。ああ!そんなとこもダーリンっぽい!なんか可愛くなってきちゃった。オジサン達は「毎日すし食べるぞー!みつけるぞー!エイエイオー!」とかみんなで掛け声まで出してるの。  オジサン達には私のマンションの場所を教えて、ダーリンが見つかったら連れて来るように言ったの。オジサン達は超張り切って駆けて行った。もしかしたらダーリンはオジサン達みたいな人たちに匿われているかもしれない!もうこれでダーリンは見つかったも同然と、お部屋でお料理を作っていたら、早速インターホンが鳴ったの。オジサンとあと後ろに黒いものが写ってる。まさかダーリン!ヤダ、もう見つかっちゃったの~!  私はもう、ウッキウッキで階段で玄関まで降りていったの!エレベーターなんか待ってらんない!早くダーリンに逢いたい!そしてダーリンに言うの『ゴメンね。アタシ、ワガママだった。もう一度やりなおそうよ!』って。 『逢いたくて逢いたくてこころ震える!』階段を全速力で駆け降りてたら当たってきた子供を吹き飛ばしちゃった!子供は頭から壁にぶち当たってエンエン泣いてたけど、もうかまってらんないんだから!1階まで降りて玄関まで駆けていく!ガラスのドアの向こうにオジサンが見える!その後ろにいる黒い人!ダーリン!アナタなの!ダーリン!自動ドアが開く時間さえ煩わしい!私は無理やりドアをこじ開けて、黒い人に駆け寄って抱きつこうとした!……エッ!
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加