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「なぞなぞだよ。金を失えば何になる?」
「簡単だぜ。“鉄”だろ」
「正解! じゃあ次の問題。金が十個集まったら何になる?」
「これも簡単だな。答えは“針”だ」
「正解! じゃあ次ね。金の子どもといえば何?」
「お、ちょっと難しいな。子ども……小金(こがね)……はちがうか」
「降参する?」
「ちょっと待てって。あ、分かったぜ! 子どもは童(わらべ)ともいうから答えは“鐘”だ!」
「うーん、正解! じゃあね、次はね……金を渡すと何になる?」
「オレを甘く見るなよ? ずばり“鍍(メッキ)”だ!」
「すごいなあ。う~ん、と……じゃあこれならどうだ。金の次は何?」
「金の次? 銀……じゃあないよなあ。金のつぎ……つぎ……?」
「ふふ、降参する?」
「悔しいが降参だ。答えを教えてくれ」
「答えは“土”だよ」
「なんで土なんだ?」
「カレンダーを見てよ。金曜日の次だから――」
「ああ、なるほどな。さっきみたいに漢字を組み合わせるのかと思ったぜ」
「じゃあ次の問題ね。金の次が土なら、金の前だと何になるでしょう?」
「おいおい、もう少しひねれよ。木だろ?」
「残念! 答えは金の前だから“前金”だよ」
「そんなのありかよ! よし、じゃあオレからもなぞなぞだ。よく考えて思いをめぐらせる金はなんだ?」
「金なのに考えたり思いをめぐらせたりするの? 金なのに?」
「どうした、降参か?」
「考える……金……めぐらせる……あ、分かった! 答えは将棋でしょ!?」
「不正解だ。考えて思いをめぐらせることを慮(おもんぱか)るっていうだろ。だから答えは“鑢(やすり)”だ」
「ええ~? ずるいよ、そんなの。ヤスリなんて難しい漢字、知らないよ……」
「お前だってさっき、鍍を出してきたじゃねえか。しょうがねえな。これは簡単だ。英語であいさつする金はなんだ?」
「英語であいさつ? ええっと、グッドモーニングとか? ハローもそうか……あ! ハローだ。答えは“鉛”!」
「よく分かったな。じゃあ最後の問題だ。これも簡単だぞ。金に弱いのはなんだ?」
「金に弱い……いわし?」
「バカ、いわしは魚偏だろ」
「う~ん……弱いってことは……勝てない……かてない……かたない……? 刀?」
「残念、不正解だ」
「分からないな。降参するよ。答えを教えて」
「よし、じゃあ正解を教えてやるよ。正解は――」
「正解は……?」
「――“人間”だ」
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