第3話 少女との出会い

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第3話 少女との出会い

扉から出てきたのは、小学生くらいの 女の子だった。 「……お兄さんだれ?」 (? 言葉が通じるのか…日本語…じゃないよな) 「えっと…その……怪しいものじゃないよ」 言ったとき、盗んだ服が脳裏を過って咄嗟に背に隠す。 「ふーん……」 少女は俺の言葉に一瞬怪訝そうな表情を見せたが、すぐに俺の格好を上から下まで、ジロジロと観察したあと口許に手をあて可笑しそうに笑った。 「ふふふ。お兄さん、変な格好~」 少女が笑うと茶色い髪が風に揺れウェーブのかかった髪が跳ねる。 ――何気なく見つめたその瞳はパチッと丸く童話に出てくるようなお姫様のような風貌をしていた。 一人そんな事を考えているとその間に何度も俺を呼んでいた…らしい少女が俺の服を強く引っ張って言う。 「お兄さーん?お兄さんてば!聞いてる? そんなところにいないで中に入りなよ」 唐突な少女のその言葉に俺は目を瞠る。 「……えっと…中に入っていいの?」 今度は何も言わず少女は俺に向かって手招きをした。 …なんなんだ、この危機感のない子は…。 「どーぞっ」 「お…お邪魔します」 「それで……お兄さん着替えたら?」 「えっ?」 少女が俺の背を指差して言う。 そしてこの時漸く俺は少女の意図を理解する事が出来た。 …… 思うに少女には最初から服を盗んだことなどお見通しだったようだ…。 ―――そして進められるままに俺は服を 着替えた。 「あっ、お兄さん着替え終わった~?」 「うん。……あの、ありがとう」 「どういたしまして。それであたしの名前はミヤって言うんだけど、お兄さんは?」 「えっと……坂木 潤だよ」 俺の言葉にミヤが首を傾げて言う。 「サカキ?ジュン?」 ミヤのその様子から察するにどうやら俺の名前は発音しずらいようだ。 「じゃあ……ジュンお兄さんって呼ぶね!」 出し抜けに語尾にお兄さんを付けられた 俺は苦笑しながら、一番聞きたかったことをミヤに質問することにした。 「あの...ここってどこらへんなのかな?」 すると俺の質問にミヤはキョトンとした顔で答える。 「えっと…ここは、リーズノーゼって、街だよ?ジュンお兄さん知らないの?あっお兄さん外国の人?でしょ?あたしそんな髪の色に目の色している人初めて見たもん」 「リ、リーズノーゼ?」 ……聞いたこともない。 「じゃ、じゃあこの国はなんて国なんだ? えっと日本って聞いたことあるかな?」 「?この国は、アスカラント王国だよ。 ニホン?ごめん。……聞いたことないや」 ―――なんてことだ... アスカラント王国?なんだそれ…聞いたこともないぞ…… 「ねぇ、ジュンお兄さんって、この国のお話に出てくる神様にそっくりだね!」 ミヤの唐突なその言葉に俺は首を傾げ呟いた。 「神様…?」
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