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「どうしたの?」
そう言われるのもわかっていた。
そう聞いて欲しかったんだ。
なのに僕ときたら、年甲斐もなく、口角が固く、結びついたようだ。
「そんなとこに立ってないで座りなさいよ」
君は自然に言葉を紡ぐ。
僕は心の行き場を探している。
だから言葉にするために、ゆったりと口を開いた。
回りくどい言葉はなしだ。
ありのままを伝えよう。
「君と学生のような恋がしたい」
なんとも滑稽な台詞に、僕は照れを隠せなかった。
君は目を見開いて、僕を見つめている。
驚いただろう。あまりに急すぎるのだから。
驚いた目は僕じゃないなにかを見るように、見開いた後、くすりと笑い、優しい眼差しに変わっていく。
「あなた、今、恋をしてる目をしているわよ」
この一言が全てを見透かすようで、柔らかな雰囲気は昔のままだ。
君に恋した僕は、また君に恋をする。
これが僕の他愛もない第2の人生。
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