ピンポン球に想いをのせて

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俺、間山徹と石井あまねは、卒業旅行で温泉に来ている。 お互い無事に就職も決まって、お祝いもかねての旅行だ。 温泉宿と言えば…そう、卓球。 食事中、あまねが、お互いの良いところを言いながら勝負しようと挑んできた! ルールは簡単、相手の球を打ち返す時に、何か良い所を言わないとならない。 相手と同じ事も言っちゃダメ。 球がちゃんと返せなかったり、何も言わずに返したら負けだ。 しかも、勝負に負けた方は、夜手を出しちゃダメだという…。 おいおいっ、卒業旅行、就職祝い、2人の旅行だぞ! 万が一、俺が負けて、あまねが俺に何もしてこなかったら?? ありえん!! それだけは、ありえん!!! そういう事に消極的なあまねなら、やりかねん!!! これは、何の罰ゲームだ? あまねよ、何を企んでいる!! しかし、変なとこ頑固なやつ。 何か言い出したら折れないときてるから、やらないという選択肢はない。 美味しい食事にお酒を楽しんだ後、俺たちは卓球台へときた。 同じ事言ってはダメだというルールがあるから、ここは何としてでも先攻を取りたい。 「卓球なんて、何年?何十年ぶりかも〜どうやって先攻後攻決める?」 呑気にはしゃぐあまねに、コイン投げにしようと提案。 トスは俺が投げるから、当たった方が先攻。 100円玉を取り出し、高くトスをあげた。 「ハイッ、表と裏どっち?」 「100が書いてある方が表でいい?私、表!」 「じゃあ、俺が裏な」 そおっと、100円玉を隠していた右手を離すと…表!! 「やったっ!!私の勝ち!幸先いい〜♪♪」 「なぁ〜勝敗の賭けネタ変えようよ〜」 「なにそれ!?必死過ぎ。徹が勝てばいいんじゃない!私の良い所そんなに少ないの?」 「そ、そ、そんなわけないじゃん!良い所しか知らないよ」 「そっかぁ〜じゃあ、心配ないじゃない。ほらっ、やるよ〜構えて構えて」
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