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「何してんの?」と小首をかしげる先生に、私は自慢の黒天使の微笑み(いつの間にか、そう呼ばれるようになった)で
「もちろん、相原先生の頑張ってる姿を、音無さんに送るんですよ」
そう言って送信ボタンに手をかけた。
「あ、あ、あああああ……、なっ、中山さん! や、やめて……。
俺、4日もシャワー入ってないから臭いの! すごく臭いの!
だめ! 響に見せないで!!
嫌われちゃう!! おねがい!!」
げっそりした顔で、涙目ってある意味迫力あるなあ~。
ホラー的な?
吹き出しそうになるのを、いかんいかんと、真面目な顔を作って
「じゃあ、その臭いのどうにかしてください!
そんな先生の姿見たら、100年どころか1000年の恋でも冷めますよ」
これ以上ないくらいに、冷たく言い放った。
ぎゃあー! という叫び声と共に、浴室へ飛び込んでいく先生を見送り、森さんへ連絡。
「森さん、先生やっぱり仮病です。担当者さん、騙されてますからー。
私帰っていいですか?」
「あら、早かったわねー。さすがだわー。やっぱり担当は中山さんにしてもらおうかしら……?
うちの編集者みんな結構忙しいのよー。ふふふっ。ついでに原稿受け取ってきてくれる~?
ちなみに締切明日の朝で」
「くっ!」
楽しそうな森さんの通話を一方的に切った。
ったく……。なんで、あたしが!?
こうなったら、今夜中に何が何でも原稿あげさせてやるわよ!
私は、舌舐めずりをした。ふふふ……。
さあ、どうやって書かせてやろうかしら……。
〈つづく〉w
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