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「俺のターン!ドロー!」
言わなきゃ引けんのか。
さっきまであーんなに甘々に甘々の甘々だったくせに、七生は今デュエリストの顔になっている。いや海馬になり切っている。マジシャン使いのくせに。
「その忌々しいトゥーンワールドを木っ端微塵にしてくれるわ!」
「ところがどっこいカウンター!」
「フハハハハハハ!甘い、甘いわー!」
今では禁止になってる懐かしいカード満載、超ローカルルール、殆どファンデッキで七生と遊ぶのは正に童心。俺ら永遠の少年だわー。負けても楽しい。
「やっぱ晃介はヒーローデッキじゃね?」
「七生も違うの使え」
「おまえのヒーローには魔法使いでないと勝てん」
そうかなーと思いつつデッキケースを開けると、紙が入っていた。
「何だコレ」
「なになに」
そこに書かれていたのは七生のメモ。ずらーっと並ぶカードの名前……七生がこのデッキを構築する時に、俺の為に書いてくれたメモだ。色んなカードを足して引いてカスタムしても、次に開けると必ずこのラインナップに戻っていた。
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